□ＨＯＮＤＡ　ＤＲＥＡＭ５０　□Ａ−ＡＣ１５

　６０年代レーサーの独特なシルエットを９０年代に甦らせたのがドリーム５０である。量産二輪車世界最小のＤＯＨＣエンジンを 搭載し、ノーマルで１３５００rpmレッドを実現するビンテージレーサーレプリカである。随所に見られるフィニッシュワークの数々は 妥協を許さないクラフトマンシップを感じさせるに十分であり、往年のモーターサイクリストには懐かしさを、若い者達には ネオヒストリックとしてのデザインラインを提供する。もっともその妥協の無さは販売価格の高さに結びつき、残念ながら販売台数こそ 伸び悩んだが、正にＨＯＮＤＡの「夢」の実現の一台であった。
　デザインは６０年代初頭に生まれたＣＲ１１０を元にし、新たな解釈や技術を使いながらも“あの時代”のスパルタンな雰囲気や人間くささを 表現している。ロングタイプのフューエルタンクやＨ断面の３６本スポークアルミリムホイール、二本出しのメガホンマフラー等々、 当代の５０ｃｃとは思えない拘りとクオリティである。
　目玉はやはり総排気量 49cm3という単気筒少排気にＤＯＨＣ(吸気・排気にそれぞれ１本づつのカムシャフトが用意されている)という 走る機械式時計とも呼ばれるエンジンである。量産世界最小のこのエンジンはＨＯＮＤＡでなければ考えず、もちろん作れないと言っても 過言ではない。こんな粋なバイクを所有できる事は、とても素晴らしく幸せなのだと思う。



以下に覚え書きとしてのスペックを書いておく。あくまで覚え書きである事を注意しておく。

型式
A-AC15
寸
法
･
重
量
全長（ｍ）
1.830
全幅（ｍ）
0.615
全高（ｍ）
0.945
軸距離（ｍ）
1.195
最低地上高（ｍ）
0.165
シート高（ｍ）
0.740
車両重量（kg）
88
乾燥重量（kg）
81
乗員定数（人）
1
性
能
最大出力（PS/rpm）
5.6/10,500
最大トルク（kgm/rpm）
0.42/8,500
燃料消費率（km/L）(定地走行テスト値)
83.3
定地走行テスト速度（km/h）
30
最小回転半径（ｍ）
2.1
車
体
フレーム型式
ダイヤモンド
キャスター角（度）
25度00分
トレール量（ｍｍ）
90
燃料タンク容量（L)
6.2
エ
ン
ジ
ン
エンジン型式
AC15E
エンジン種類
空冷4サイクルDOHC4バルブ単気筒
総排気量（cm3）
49
内径×行程（ｍｍ）
40.0×39.6
圧縮比
10
バルブ径　IN14φ
バルブ径　EX12φ
バルブタイミング　吸気　開き10°BTDC
バルブタイミング　吸気　閉じ30°BTDC
バルブタイミング　排気　開き30°BTDC
バルブタイミング　排気　閉じ5°BTDC
バルブリフト（最大値）　IN6.15mm
バルブリフト（最大値）　EX6.15mm
始動方式
キック式
点火装置型式
CDI式マグネット点火
潤滑方式
圧送飛沫併用式
潤滑油容量（L）
1.1
キ
ャ
ブ
レ
タ
ー
キャブレター型式
ケイヒンPC09
ベンチュリ径15mm相当
メインジェット#75
スロージェット#38×#38
ジェットニードルA1HC
ジェットニードルグリップ階段4段目
動
力
伝
達
装
置
クラッチ型式
湿式多板コイルスプリング
変速機型式
常時噛合式5段リターン
変速比1速
2.692（13/35）
変速比2速
1.823（17/31）
変速比3速
1.400（20/28）
変速比4速
1.130（23/26）
変速比5速
0.960（25/24）
1次減速比
4.437（16/71）
2次減速比
3.583（12/43）
チェーン＃420/112コマ
走
行
装
置
懸架方式（前）
テレスコピック式
懸架方式（後）
スイングアーム式
ブレーキ型式（前）
φ240mm油圧式ディスク
ブレーキ型式（後）
φ190mm油圧式ディスク
タイヤ（前）
PIRELLI　2.50-18 45L
タイヤ（後）
PIRELLI　2.50-18 45L


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